インフル同様、新型コロナも毎年接種?|ブースター効果(2)
今回も、ワクチンを追加接種することで、さらなる効果が期待できるブースター効果についてのお話の続きです。
諸外国の動向
諸外国に目を向けると、ドイツや英国、フランスは2021年9月からの高齢者を優先とした追加接種実施を決定しました。また、イスラエル、ハンガリー、南米チリはすでに2021年8月に開始されています。
世界保健機関(WHO)は8月4日の声明で「世界の供給量の大半を使った富裕国が、さらに使うことは受け入れられない」と追加接種を決めた先進国をけん制。
WHOによると、高所得国では100人当たりの接種回数は100回で、低所得国ではわずか1.5回。SARS-CoV-2ワクチン供給を発展途上国に振り分けるため、追加接種の9月末までの延期を訴えました。しかし、世界各国で猛威を振るうデルタ株などにより感染の再拡大に歯止めが利かない英国など各国は追加接種実施を決定しました。
英国は全人口の57%、ドイツは53%、フランスは49%が接種を完了したとのこと。※³ 一方、英仏での感染再拡大は、デルタ株を中心に連日2万~3万人規模となっています。感染は未接種の若者だけでなく、接種を完了した高齢者の一部にも確認されており、今後、接種から約半年が経過し、SARS-CoV-2ワクチンの効果が弱まる人がさらに増加すると予測されています。そのため、ブースター効果を狙って追加接種実施に踏み切るのでしょう。
また欧州で懸念されているのは、SARS-CoV-2とインフルエンザの「同時流行」です。専門家は昨年流行しなかったインフルエンザが、今冬に猛威をふるう可能性を指摘。同時流行となれば、医療崩壊はまぬかれず、死者の急増につながる恐れが考えられます。気温低下でウイルスが活発化しやすくなる冬を前に、SARS-CoV-2ワクチンの追加接種でリスクを最小化するという考えです。
英政府の専門家は、SARS-CoV-2ワクチンの追加接種とインフルエンザワクチンの接種を同時に実施する必要性も訴えています。
※³ 英オックスフォード大などが集計するアワー・ワールド・イン・データ 参照
日本でも「3回目追加接種」申請手続き始まる
米ファイザーと独ビオンテックは、SARS-CoV-2ワクチンの3回目の追加接種(ブースター接種)について日本でも薬事手続きの準備が始まりました。
両社は接種2回目から8~9カ月後に3回目を接種した場合の臨床試験を米国で行っており、この試験結果を根拠に日本でもブースター接種の申請手続きを始める予定。
日本で一般向けに始まるのは来年になる見通し。
河野太郎ワクチン接種担当大臣は8月17日の記者会見で「来年ブースター接種をするのに十分な量のワクチンを確保できた」と述べ、ファイザーともブースター分の供給について合意したことを明らかにしました。
また、米ファイザーと独ビオンテックは、すでに実用化されているSARS-CoV-2ワクチン「コミナティ」に追加接種するブースター(追加免疫)ワクチンも開発予定。また、デルタ変異株に特化した修正ワクチンも開発し、来月に臨床試験を開始するとのこと。
デルタ変異株vs. SARS-CoV-2ワクチン
米国全域の老人ホーム入居者を調べたところ、ファイザーやモデルナのSARS-CoV-2ワクチン感染予防効果は2021年初め(3~5月)の段階では75%でしたが、デルタ変異株が優勢となった後の6~7月には53%に下落していました。
英国でも無作為に選んだ30万人超の大規模検査した結果、アルファ変異株優勢の2020年12月~2021年5月16日のファイザーのSARS-CoV-2ワクチン「コミナティ」接種完了者のCOVID-19発症予防効果は97%でしたがデルタ変異株優勢の5月17日~8月1日には84%に低下しており、予防効果の減弱が伺えます。
日本の製薬メーカーでも、ぜひデルタ変異株に特化したSARS-CoV-2ワクチンを開発してほしいと切に願う日々です。
基本は、マスクや消毒、うがい。三密は避け、必要最低限の外出にとどめましょう。

