東京五輪開幕!!|その裏で働くスポーツファーマシストとは?
開催直前まで紆余曲折あった東京オリンピック・パラリンピックですが、感動的な開会式を迎え、日本人選手の活躍ぶりに毎日テレビから毎日目が離せませんね。このような大きなスポーツイベントの裏で、薬剤師が活躍しているのをご存じですか?
スポーツファーマシストとは?
『スポーツファーマシスト』とは、2009年には日本薬剤師会と公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の協力により、認定制度が始まりました。
スポーツファーマシストの具体的な活動として、JADA(日本アンチ・ドーピング機構)が認定し、薬物・薬剤に関する専門的な知識に加えて、ドーピング防止の知識も併せ持つ薬剤師です。スポーツ選手や企業に対し、アンチ・ドーピングの情報提供や啓発、医薬品使用の情報提供を行っています。2021年6月現在で11,489人在籍しています。
スポーツファーマシストは「基礎講習会」とe-ラーニングによる「実務講習会」を受講後、「知識到達度確認試験」に合格すると得られる資格です。
1年に一度募集され、定員オーバーになった場合、は抽選となり、この抽選を通らない限りスポーツファーマシストの講習すら受けることができません。中には3年越しでようやく受講できたというスポーツファーマシストの方もいるようです。
スポーツファーマシストになるには知識だけでなく、運も必要のようですね。
ちなみに、スポーツファーマシストの資格は、4年に一度の更新が必要であり、常に新しい知識を吸収しなければなりません。
スポーツファーマシストの具体的な仕事内容とは?
スポーツファーマシストの仕事内容は、主に以下の2つです。
●国民体育大会に向けての都道府県選手団への情報提供・啓発活動 等
●学校教育の現場におけるアンチ・ドーピング情報を介した医薬品の使用に関する情報提供・啓発活動 など
(日本アンチ・ドーピング機構(JADA) スポーツファーマシスト HPより抜粋)
他にも、以下のような活動もあります。
●スポーツ選手の相談(24時間体制、LINEなどを使用)
●スポーツチームへの講演でのアスリートに向けた健康指導
●公共の体育施設での健康講座
●スポーツファーマシストの方々に向けた講習(日本薬剤師会からの依頼)
●薬だけでなく、サプリメントの成分についても日々勉強 など
サプリメントなどは特に海外の方が充実しているため、常にアンテナを張り巡らせ、情報収集は怠らないことが必須です。
“ うっかりドーピング ”には特に注意!!
ドーピングには、大きく2種類あります。
①明らかに自分の意図による「悪意のあるドーピング」
②うっかり知らずに飲んでしまった! という「うっかりドーピング」
特に気を付けたいのは、うっかりドーピングですね。
風邪薬程度で、ドーピングにひっかかるような成分は入っていないだろうという固定観念は捨て、スポーツをやっている選手は常に疑いを持ち、医師・薬剤師に前もって伝えてください。
患者さんからの申し出がないと、どのようなスポーツをしているかわからないことも多々あります。お電話でも構いませんので、気になるときにはすぐに連絡してください。
禁止物質|注意が必要な薬の種類について
特によく使われる薬の中で、「うっかりドーピング」になってしまいそうな薬の種類の例を紹介します。
薬により、
●競技会前のみ禁止とされる薬
●特定競技のみ禁止とされる薬
●常に禁止とされる薬
があるので、詳しい内容について知りたい方は、スポーツファーマシストや薬剤師までご相談ください。
●風邪薬(総合感冒薬)、咳止め
●鼻炎、アレルギーの薬、花粉症の薬
●喘息治療薬 ※吸入の場合、24時間以上経過して一定量内であればOK
●無月経、子宮内膜症の治療薬(ホルモン剤)
●難聴やめまいの治療薬
●低血圧を治療する薬(利尿薬など)
●高血圧を治療する薬(特に配合薬)
●不整脈の薬
●インスリン(糖尿病治療薬)
●体毛を濃くするぬり薬 など
漢方薬(生薬)
漢方薬は自然の生薬が組み合わさってできているため、問題ないだろうと思っている方も多いでしょうが、生薬の中には、明らかに禁止物質を含むものがあります。
その代表例に麻黄(マオウ)や附子(ブシ)、呉茱萸(ゴシュユ)、細辛(サイシン)、麝香(ジャコウ)などが挙げられます。
つまり、これらの生薬を含む漢方薬は禁止物質とされるため、使用できません。
例:葛根湯、麻黄湯、麻黄附子細辛湯、呉茱萸湯など: 風邪薬や頭痛の治療薬として頻繁に使われる方剤になりますので、注意が必要です。

